Rock It!のインタビュー with Joacim
ドイツのメタル雑誌Rock It!の表紙になりましたが、雑誌内でのインタビューを本誌の編集長のサポートもあり、日本語訳できました♪ドイツ語→英語→日本語の順でアプリなどを使い訳しましたので、少し合っているかは不安ですが、本当にとてもステキなインタビューですので是非!
※編集者の方の許可を得てシェアしております。無断転載はご遠慮願います。
I've shared it with permission of Rock It!, so please don't share it without their permission.
Alot thanks to Juergen Will and Tallee Savage!!
90年代末には、消えゆくシーンの希望の光と見なされていた。現在では無くてはならない存在となっている。Heavy Metalの権化 HAMMERFALLは約30年のキャリアの中で、11枚(!)ものスタジオ・アルバムを発表した。そしてさらに、11枚目を超える(!)スタジオ・アルバムを制作。『Hammer Of Dawn』は12枚目のアルバムで、フロントマンのJOACIM CANSは、昔のようにもう一度品質のツマミを回すという極端なことをするのだ。
スウェーデンの本格的なメタラーは必然的に上手くやっているレコーディング・コンディションと時にする臨機応変なヴォーカルのアクロバティックなパフォーマンスとの間で辛い状況を根幹としている。
スウェーデンのフルブラッドメタラーは、この逆境をレコードの重要なポイントに変え、希望に満ちたサウンドを作り上げた-そう、自分たちのため、ファンのため、そして全世界のために、暗い時代を照らす光として。"Hammer Of Dawn "は前進する途中であると同時に、クラシックなバンドの精髄が感じられる。それは、確固たる信念の証し。そして、バンドの指はすでに、この新曲をステージで披露したくてうずうずしているのだ。
にもかかわらず、カルチャーシーンは現在、毎度毎度のことながら、さらなる後退を強いられている。苦労絶えない反乱の中でもJoacimは元気なようだ。彼のビデオチャットの背景が"Hammer Of Dawn "のカバーアートワークを飾っている。彼は、目に見えて新作を誇りに思っているのだ。思うことが出来るのだ。結局のところHammerfallは、こういった状況下であっても、高品質な伝統的なヘビーメタルになっているだけで留まらないのだ。このアルバム"Hammer Of Dawn"でハンマーフォールは、文字通り希望に満ちた夜明けを打ち鳴らす。
『表紙を見ればわかるようにヘクターのハンマーの周りに光り輝くもの。それがこのレコードが"Hammer Of Dawn”と呼ばれてる理由なんだ。』
51歳は言う。しかし、その意味はもっと深い。
『それに、もう一つ「No Son Of Odin 」というタイトルもある。この曲のステートメントは、文字の通りさ。ヘクターはオーディンの息子ではない、つまりトール(北欧神話の戦神)ではないんだ。彼のハンマーは、ミョルニル(トールが持つハンマー)ではなく、「ハンマー」なんだ。』
フィクションの物語以上のものがある。少なくとも一回読んだだけで理解できるアレゴリーのようだ。Hammerfallは色んな試練を沢山のパターンで乗り越えて、伝統的なHeavy Metalを放棄せず、確立したトレードマークを突破してきた。希望と忍耐力の印として。
『ここ2年ぐらいは、みんな同じ状況下だった。そして今新しい夜明けがやってくる。それは何かポジティブなことなんだよ。』
と、Joacimは言った。これがハンマーフォールがあえて過去を打ち破る理由なのだ。でもこの結束は決して離れることはない。
『このアートワークは『ドミニオン』(2019年)と比べてかなり明るいんだ。ドミニオンはパンデモニウムにいるイメージさ。地獄の中心だよ。』
彼は続けた。現在のアートワークと対比のことだ。
『今、ヘクターはハンマー・オブ・ドーン(夜明けの槌)を手に、パンデミックの灰の中から上がってきて、輝かしい未来へ先駆ける準備をしてるのさ。前作との比較は決して偶然の一致ではないという。
『この対比は"Dominion "の時にすでに話していたんだ。』
とJoacimは言う。
『次のステップは、単にもう少しだけでいい、より天使的に、より悪魔的にしたかった。今まではコインの裏についてを見せた。ヘクターがいつもと違うコスチュームで出てきた。彼は彼の欲することならなんでも自分で与えられるんだ。しかし彼はいつも善のために戦っている。だからこそ彼が俺たちを地獄から光に引きずり出してくれる理由さ。』
そして、世界は光をもたらす者を必要としているようだ。特に、このような困難な時期には。
『コロナ のパンデミックはまだまだ続くだろうね。しばらくして俺たちは気がつくんだ、"くそ、俺は不死身じゃない、私は死ぬかもしれない、オーマイガー!"とね。』
シンガーは冗談交じりに大袈裟に言う。
『"Venerate Me"はそういう歌詞なんだ。俺が知っている唯一のことは、俺が存在しているということさ。でも明日何が起こるか 分からない、または次の週も、まだ生きてるかどうかさえ分からないんだ。この事実は俺を目覚めさせてくれたんだ。一つの文を歌詞に入れたんだけど。俺達は二度死ぬ-1回目は息が止まる最初の瞬間、2回目はあなたの名前を最後に呼ばれた時。』
フロントマンはしみじみとそう言った。
『ファンがいる限り生きて俺は歌い続けるよ!俺達は生きている!ある日、死んでしまってもね。』
演奏の機会が少ないにもかかわらず、バンドは"忘却の死"を恐れにくいのだろう。キングダイアモンドを『Venerate Me』でゲストとして器用したからである。
『俺とオスカーにとって、彼は本物のヒーローなんだ。』
と、Joacimは自分のアイドルを絶賛している。
『俺達はMercyful Fateや彼のソロで成長してきたのさ。』
ハンマーフォールは、オカルトのシンガーとコンタクトをとったのである。
『俺達はフェスや前回のUSツアーで会ったし、ダラスのライブにもきてくれたよ。最終的に遠回しでリクエスしたんだけどね。』
と親指を立てる。ポンタスは、キング・ダイアモンドのサウンド・エンジニアだ。だから彼はキングダイアモンドのことをよく知っている。私たちの要求を伝えてもらえないかとお願いしてみた。ヨアキムはポンタスに電話をするとすぐに返事がきた。
『もちろん!素晴らしいアイデアだ!』と。
ハンマーフォールは、豪華なゲストをとても尊敬いるのだ。
『彼は最終的に反対していて、オスカーは彼のそばに1時間以上座り話し合って議論していたんだ。キング・ダイアモンドを"Hammer Of Dawn"の一員として迎えることができ、光栄に思うよ』
-Brothers In Spirit
"Hammer Of Dawn "は、社会的な絆についてフォーカスを当てた作品だ。バンド内、外、またそのほかいくつかにも。"Brotherhood"はより大きなエッセイ的な見聞である。
『俺とオスカーのフレンドシップについても少し書いてある部分はある。この繋がりはお互いにとってもとてと重要なんだ。結果、俺達は約30年間でお互いをよく知れたんだ』
シンガーは説明した。長年の仲間を歌詞に登場させたのだ。
『要するに、オスカーがハンマーフォールであり、ハンマーフォールはオスカー なのさ。同じように俺はハンマーフォールであり、ハンマーフォールは俺。この関係はバンドが方向性から来てることなのさ。』
間違いなく他のメンバーもこのヴィジョンを共有されてるのだろう。なぜなら「Brotherhood」はバンド全体についても指すからだ。
『5人の仲間であり、まだまだ一緒に過ごすのが好きなんだよ。俺たちの間に揉め事はないよ。友達のこと、ビールを飲むこと、仕事する代わりに楽しく遊ぶこと、そんな些細なことについて書いたんだ』
しかしこの解釈でさえも、その一部を切り取るに過ぎないのだ。
『もっと大きな問題はファンを最高のトーンで褒め称えることなんだ。』
ヨアキムはコメントする。
『君が長髪でも短髪でも髪の毛なくても酷いカツラを被ってたっていい、何も関係ない。気にならないさ。これはHeavy Metalだし、皆ここに招かれたんだろ。結局は一人一人異なるしね。ファン無しではハンマーフォールはここまで来れなかった。音楽を録音したり、アルバムを売ったり、ツアーに出たりすることができなかった。何も出来なかったんだ。』
歌の曖昧さはHammerfallにとって重要な関心事なのだ。
『俺の視点は一つの可能性なんだ。オスカーはまた違う意見かもしれない。リスナーと解釈によって意味が変わってくるんだ。』
ヨアキムは続けた。
『Hammer Of DawnはDominionの完璧な続きなんだろうね。そしてBrotherhoodはその二つとリンクしてる。なぜかというと同じ時期に書かれたからね。』
その通りかもしれない-彼は意図されたものを公表するのを控えることがとても楽しそうだからだ。
『次に、ピンクドラゴンのことを歌っていると言われれば、人はそれを受け入れる。物事を強制的に見せられてしまうんだ。』
と。ボーカリストは続ける。
『自分の解釈は正しいと信じてるんだ。俺が歌詞を書く時、何を題材にするのか完全に決めてる。でも後に、俺の視点は変わってきたりするかもしれない。新しい解釈が開けてくるんだ。この解釈は壊したくないんだ。』
~Escape Forward
Hammerfallは、経験豊富なライブバンドだ。しかしパンデミックによって引き起こされた隔離は困難であった。
『はじめはとても耐え凌ぎやすかった。ただリラックスして何もしなかったり、本を読んだりゆっくりして、曲作りを始めたりしてた』
ヨアキムはゆっくりとした曲作りのプロセスについて話し始めた。厳密に言えばこのバンドはもっと早くから"Hammer Of Dawn"の制作にかかっていたのだ。
『"Dominion"を作る時には既にオスカーは数曲持ってたんだ。制作は2019年2月に始まってたんだ。他に何ができたんだってことだよ。』
最初のステップはとても心地よかったのだ。でもそうではなかった、世界的に無気力だったからだ。少なくとも、ヨアキムが苦境に立たされながらも新たなレベルに引き上げようとしたからではない。
『どのアルバムでもプレッシャーはそんなになかったと思う。どのアルバムでも上手くいくんだ。』
彼は笑った。
『いつも考えるんだ、こんな曲は前に作ったのでは?他のアーティストが使ってたりとか俺が気付いてないことないか?って常に何でも問いかけてるね。』
と、彼は明かした。
『キャリアが長くなればなるほどより難しくなる。時にはその内心に抵抗して心のままにやってみるべきだとも思うよ』
ソングライティングだけがバンドでの内面的なハードルではなかったようだ。"Hammer Of Dawn" はパンデミックにより例年通りの録音ができなかった事実がある。代わりに非常事態の対策が必要だった。
『ジェームス・マイケル(Sixx:A.M.のVo)は、俺のボーカルコーチなんだ。彼はロサンゼルス在住だ。しかし、コロナのためその間、俺は米国への入国を許されなかった。そして、待って、待って、待った...。でもそれは不可能だったんだ。』
ヨアキムはこう振り返った。
『それから俺はデンマークにいるヤコブ ハンセン電話したんだ。彼にこの状況を説明して、一緒にやってくないかと頼んだ。通常はスタジオを持っているプロデューサーは数年間予約で埋まっているんだ。でも彼は"とりあえず来て。開けとくよ"とだけ言ってくれた。』
ただ、克服しないといけない新たな挑戦もあったようだ。
『俺にとって最も困難だったのは、クリエイティブモードに入ることだったんだ。』
とシンガーは認めた。
『作られた物に対して、一音一音 メロディーを拾っていくのが信じられないぐらい難しかったんだ。』
彼は上手くいかなかったようだ。継続的なステージ上でのパフォーマンスがなしで、ルーティンがなくなったようだ。
『気がついたら、8カ月も歌っていなかったんだ!笑』
8ヶ月間歌ってなければ感覚を思い出すのも困難なのかもしれない。
『俺はHammer Of Dawnをもっともっとよくしようとした。大体の人は軽く歌って書くんだろけど、一方俺は全曲、チャレンジングな曲にしたかった。例外無しで全曲、俺は俺自身を超えたかったんだ。通常こういったことは1か2タイトルだけやるんだけどね。このアルバムは全体通して本当に難しいと直に感じたんだ。』
とヨアキムが言う。そして彼はこのアルバムで彼自身に勝ちたかっただけではないのようだ。
-Student And Master
全てが普通に戻る訳ではなかったとしても今年ハンマーフォールは彼等のアイドルHelloweenとツアーに出たかった。少なくとも計画に従って。その兆しは成功のようだ。ハンマーフォールでさえ欧州のトップアーティストの中の一組になるとは思ってなかっただろう。彼らにとってそれは決定的な称賛だった。早期の実現はバンド内の強い結束の賜物なのかもしれない。バンドを作られる時期も今日、より良好だった。
『俺が子供のころは、近所のガレージでもバンドが練習してたんだ。どこでもやるんだよ。もちろん殆どのバンドは酷かったけどね。でも少しずつ、次のレベルへ、次のレベルへと向かってた。』
ヨアキムは少年時代を思い出す。でも最近は違うのだ、と。
『今のシーンを見てみてよ、彼らはリハーサルルームさえないんだよ。誰がバンドを始めれるっていうんだ?』
解決策はこうだ。
『スポーツと同じでチームスピリッツが必要なのさ。ヴィジョンを共有する人にだけね。それが俺とオスカーの結束なのさ。この音楽でどこに向かっているのか俺たちは分かってるんだ。』
彼らは報われたようだ、なぜなら彼らはこのシーンで必要不可欠な要素だからだ。
『俺たちのキャリアはジェットコースターなんだ。常にアップダウンしてる。12枚目のアルバムの話をしてるのも誇りに思うよ。ハンマーフォールはまだまだ力強いバンドなんだよ。』
この成功がヨアキムが正しいことを証明してくれている。約30年経った今も。ハンマーフォールは内部や外部でも結束の強い共同体だ。彼らには本物のHeavy Metalが宿っている。
『"Hammer Of Dawn"は休暇とった後に作った"(r)Evolution"から取り組んでいるものの続きだと思う。俺たちはより大きくなってるよ。素晴らしいことだと思うんだ』
おそらくこの時期にしては非常に稀な締め方だが、彼は一つ確実に言えることがある。
『俺達はHeavy Metalという天空の中で泳ぐバンド達の一つさ。この領域内では基本的に俺たちは好きなことが何でもできるのさ!』
Interview by Tom Lubowski
【おまけ】
~失われた戦い~
HammerFallが"Glory To The Brave"を発売した時、誰もがHeavy Metalのこれ以上の成功は信じなかった。この10年はとにかくグランジに苦しんでいたようで、それにより更に傍に追いやられ、Heavy Metalの品質は沢山の願いを鍛え残されていたのだ。音楽的な危機の真っ只中、成功させるのは不可能なのだ。ハンマーフォールはいつもの成功だけではないマイルストーンをリリースするのだ。
『俺たちは今だにHeavy Metalの復活への扉を開けたと謳われるんだ。』とヨアキムは説明した。『正直なところ、俺は俺たちをいまだに新しいバンドだと思ってるんだ。そして、Iron Maiden, Saxon, Accept, UDO などがツアーに出てる間は俺たちはずっと若手だと思ってる。』メタルザウルスの巨大な成功になったにも関わらず、若手アーティストの台頭は岩だらけだった。Heavy Metalはどんどんサブカルチャーになっていったのだ。輝かしい80年代は永遠に幕を閉じたかのようだった。『1990年代は最新の音楽を手に入れづらかった。店頭で(メタル系の新譜について)たずねると、"メタルなんてクソだな!"なんて返答がよく返ってきたんだ。』苦悩の時期についてのバンドの声だ。ハンマーフォールはもはやニッチなバンドではなくなり、今やHeavy Metalが再燃するのを願っているファンへも刺激を与えているのだ。『俺たちに影響されたバンドを俺はとても誇りに思っているんだ。例えば俺達がHelloweenに影響受けたと話してる時と同じように畏敬の念があるんだ。』
ただハンマーフォールは若手に必要なことは良く理解している。『俺たちはこんなバンドが必要だし、彼らは未来なんだ。数年後を想像するんだ。そこにはIron MaidenやSaxon, Judas Priestもいない、そしてたぶんGuns N' Rosesも。だから俺たちには新しい息吹が必要なんだよ。』
でもハンマーフォールは全く無責任ではない。その間、Heavy Metalは再燃する様子なのだ、全盛期よりももっと。ヨアキムは同意する。『80年代よりもっと繁栄するとは思ってないけど、Heavy Metalは10年ごとに死んでると思う、たぶん、81年から87年とかね。空気が変わってしまうんだ。最近はこのジャンルは大きくなってるよ。再びどんどん成長してきてるんだ。』その間、ハンマーフォールは若手のアイコンとしてリーダーシップとなり、音楽史の一部になったのだ。